精選版 日本国語大辞典 「カンパネラ」の意味・読み・例文・類語
カンパネラ
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イタリアの哲学者。カラブリア出身。ドミニコ会修道士。当時の代表的自然哲学ベルナルディーノ・テレジオがアリストテレスに反対して感覚論,経験論を主張することに強い影響をうけた彼は,1591年《感覚哲学》を著した。その革命的な学説は多くの敵をつくり,郷里をすてナポリ,ローマ,フィレンツェ,ベネチア,パドバ,ボローニャと巡歴し,その間ガリレイやサルピらと交渉をもった。10年後,いったん郷里に帰ったものの,スペイン支配下のカラブリア民衆の苦しみを見て,革命の近いことを予見して,理想的キリスト教社会を南イタリアに建設しようとし,各修道院に秘密組織をつくり,トルコとも接触した。99年8月に独立戦争をはじめる計画をたてたが,事前に捕らえられ,1600年から26年間にわたる牢獄生活をおくった。その間,拷問に屈せず自白しなかった。やがて若干の自由を与えられるようになり,《真正哲学》(1623)を出版し,経済や政治を論じてその理想社会の実例を示すために《太陽の都Civitas solis》(1623)を著した。これは空想ではなく,近いうちに実現可能の社会を予測したもので,国家によって各人は資質に応じてそれぞれの仕事の部門に配置され,生産財は国有とし,また結婚も国家が管理すべきとした。晩年は自由の身となり,パリに安住の地をえた。
執筆者:永井 三明
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…17世紀初頭には著名な2例があらわれる。T.カンパネラ《太陽の都》(1623),F.ベーコン《ニュー・アトランティス》(1627)である。この両作品は,モアの《ユートピア》と同じく海を隔てた陸地もしくは島に場をさだめ,住民の明察とともに,素朴な自然性をも称揚している。…
※「カンパネラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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