カンデラ(Felix Candela)(読み)かんでら(英語表記)Felix Candela

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カンデラ(Felix Candela)
かんでら
Felix Candela
(1910―1997)

スペインに生まれ、メキシコおよびアメリカで活躍した建築構造家。とくに、シェル構造を用いた建築のすぐれた構造デザイナーとして知られた。1935年、マドリード建築学校を卒業後、スペイン内戦に参加。39年投獄されたが、すぐにメキシコへ亡命した。第二次世界大戦後に彼が発表したHP(双曲放物線面)シェルによる建築の構造デザインは、メキシコ・シティの大学都市の宇宙線研究所(1952)、ラ・ビルヘン・ミラグローサ教会堂(1953)などの初期作品を通して、その独創性と美しさが高い評価を受け、世界的に注目された。以後2000棟を超す、住宅、市場、倉庫工場、博覧会施設、商業施設等を設計し建設した。53年から70年まで、メキシコ国立大学教授。71年、米国に移住し、帰化して、数多くの建築構造に関する計画に参画し、また国内外の多くの大学で教鞭(きょうべん)をとった。

長谷川堯

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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