カンチェリ

百科事典マイペディア 「カンチェリ」の意味・わかりやすい解説

カンチェリ

ジョージア生れの作曲家。国際的に知られる同国の映画監督シェンゲラーヤ兄弟,O.イオセリアーニらとほぼ同世代に当たり,ジョージア芸術界の底力を世界に示した芸術家の一人。生地トビリシ(ティフリス)の音楽院に学ぶ。1971年同地の劇場の音楽監督となり,演劇・映画の音楽でも活躍。1984年−1988年ジョージア作曲家同盟第一書記を務めるが,紛争の続く故国を離れ1992年ベルリンに活動の拠点を移した。旧ソ連圏のグバイドゥーリナペルトらと同様,深い宗教的感情にもとづく特異な作風で知られ,1980年代以降,調性を基盤にした独自の様式確立。《交響曲第6番》(1981年)など創作の中核をなす交響曲のほか,ビオラ協奏曲《風は泣いている》(1990年)や合唱曲など多くの作品がある。日本でも1996年,バシュメットやウラル・フィルハーモニー管弦楽団が作品を日本初演。→グレツキ

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