カンタル県(読み)カンタル(英語表記)Cantal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンタル県」の意味・わかりやすい解説

カンタル〔県〕
カンタル
Cantal

フランス中南部,オーベルニュ地域 (レジオン) の県。マシフサントラル (中央山地) 中にある。県都オーリヤック。中部のカンタル火山帯の最高点はプロンデュカンタル (1858m) で,第四紀の氷河によって圏谷,尖峰を形成し,山腹には深い谷が発達する。その周囲には北東部のセザリエ,東部プラネーズの2つの玄武岩質高原,南西部オーリヤック盆地などの牧畜地帯,南部シャテニュレ (クリ林の意) の結晶岩質丘陵地がある。シャテニュレはその名のとおり標高 600m付近までクリの木におおわれ,往時は住民の食糧源であった。南東端のオーブラック玄武岩台地は,夏季ウシの飼育に用いられる高地牧場 (標高 1000~1200m) を形成する。気候もきびしく,積雪期も長い。夏季山小屋でつくられるカンタル・チーズは有名。南東部のショードゼグなどの温泉保養場,有名な峡谷,発電用ダムなどが各地にあって,観光事業が活発。出稼ぎが多く人口減少が著しい。面積 5726km2。人口 15万 8723 (1990) 。

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