カン(クヮン)・こうのとり(漢字)

普及版 字通 の解説


18画

[字音] カン(クヮン)
[字訓] こうのとり

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
毛角があり、大きな目をした鳥の形。は毛角のある鳥で木(みみずく)。それに目を加えている。〔説文〕四上に「小(雀)なり」とし、(けん)声とするが、形声字の構造法としがたい。〔玉〕に「水鳥なり」というのは、あまさぎの類であろう。卜辞に「きてせんか」「酒もてせんか」「して(まつり)せんか」「せんか」などの辞例があり、農耕儀礼に関する祭儀をいう字であろう。金文にも〔効尊〕「王、嘗にす」とあり、農耕の重要な儀礼であるらしい。鳥形の字であるから、鳥占(とりうら)を行う意かと思われるが、儀礼の詳しいことは知られない。

[訓義]
1. こうのとり。いま字をに作る。
2. 古代の農耕儀礼、鳥占によって豊凶を卜するものであろう。
3. 水鳥、あまさぎ。
4. (がん)と通じ、、ががいも。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ミヅドリ・ホソキヤシ・タチマチ

[声系]
〔説文〕に声として(権)・(観)・(歓)・(勧)など十八字を収める。声の字の共通義として、審らかに視ること、歓びさわぐことなどをあげうるが、それが卜辞にみえるの儀礼とどのように関連するものであるのかは明らかでない。

[熟語]


29画

[字音] カン(クヮン)
[字訓] こうのとり

[字形] 形声
声符は(かん)。はおそらくの初文。毛角のある鳥の象形。卜辞に「」のように農耕儀礼や祭儀にというものがあり、鳥占(とりうら)によってその応答を観ることが行われたのであろう。〔爾雅、釈鳥〕に「鵲の如くにして短尾。之れを射れば矢を銜(ふく)みて人を射る」という返し矢の話を載せており、神秘的な鳥とされていたのであろう。

[訓義]
1. こうのとり。
2. 〔集韻〕に〔説文〕を引いて、「小(雀)なり」という。
3. かささぎ。

[古辞書の訓]
和名抄 於保止利(おほとり)〔名義抄 オホトリ

[熟語]

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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