カローニン(英語表記)Karonin, Nikolai Elpidiforovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カローニン」の意味・わかりやすい解説

カローニン
Karonin, Nikolai Elpidiforovich

[生]1853.10.17. サマーラ,ボズネセンスカヤ
[没]1892.5.24. サラトフ
ロシア作家。本名 Petropavlovskii。村司祭の貧しい家に生れ,神学校を出たが,中等科の課程も終了せずに革命運動に参加し,逮捕されてシベリアに流刑。農奴解放後の農民の生活や,ナロードニキ,インテリゲンチアの思想的探求主題として,代表作『パラシュキノ村の人々の話』 Rasskazy o parashkintsakh (1879~80) をはじめ,中編『下から上へ』 Snizu vverkh (86) などを書いた。彼の文学は M.ゴーリキーに高く評価された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カローニン」の意味・わかりやすい解説

カローニン
かろーにん
С.Каронин/S. Karonin
(1853―1892)

ロシアの小説家。村の司祭の家に生まれ、神学校の中学課程在学中にナロードニキ(人民主義者)運動に入り、シベリアに追放。帰還後はボルガ川沿岸地方に住み、貧窮のうちに死んだ。作家活動は1879年から。初め農村問題を、のちには主としてナロードニキの運命を扱う作品を書いた。代表作は『パラシュキノ村の人々の話』(1879~80)、『下から上へ』(1883~86)など。

小平 武]

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