日本大百科全書(ニッポニカ) 「カロル(2世)」の意味・わかりやすい解説
カロル(2世)
かろる
Carol Ⅱ
(1893―1953)
ルーマニア国王(在位1930~40)。カロル1世の死後、甥(おい)のフェルディナンド1世が後を継いだが、カロル2世はその長男。ドイツで士官の教育を受け、帰国して皇太子となったが、二度目の結婚ののち、悪評のある婦人との醜聞が問題になり、王位継承権を放棄して西欧へ亡命した。1930年に帰国し、息子のミハイ1世(在位1927~30、1940~47)を退位させて王位につく。ムッソリーニを崇拝し、ファシズム団体の鉄衛団を一時支援したが、38年に全政党を解散させて個人独裁を敷いた。40年に自らが接近した枢軸諸国とソ連に領土の3分の1を奪われ、同年9月に王位をミハイに譲って亡命、53年ポルトガルで客死した。
[木戸 蓊]