カロリング・ルネサンス(読み)カロリングルネサンス

百科事典マイペディア 「カロリング・ルネサンス」の意味・わかりやすい解説

カロリング・ルネサンス

8世紀末から9世紀初め,カロリング朝フランク王国,特にカール大帝の宮廷を中心に興った古典文化復興運動Renaissance Carolingienneという。高い教養をもつ聖職者官吏を確保するため,聖堂修道院に学校の創設を命じた勅令(789年)に始まる。古代ローマ文化を範とし,主眼をラテン語の純化と普及に置いた。フランク人のアインハルトアルクイン(イングランド出身),ペトルスPetrus(イタリア出身)などがアーヘンの宮廷周辺に集まって,全西欧的性格をもつ文化となった。美術では宮廷・修道院が推進母体となり,古代様式を規範とし,寺院の造営・保存を奨励した。アーヘンの宮廷礼拝堂(現,アーヘン大聖堂)のような大建築もローマ以来の建築伝統を復活したもの。また聖書,福音書などの写本の装飾挿絵は古代復興の努力を端的に示す。彫刻は青銅象牙の小品以外に遺品が少ない。
→関連項目アーヘン

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「カロリング・ルネサンス」の解説

カロリング・ルネサンス
Carolingian Renaissance

カール大帝の宮廷を中心とした一種の古典復興運動。同帝が十分な教養を持つ官吏と聖職者を確保するために,修道院や司教区に学校創設を命じた(789年)ことに始まり,彼の「宮廷アカデミー」を中心に開花した。特にラテン語知識の強化をめざし,アルクインパウルス・ディアコヌスなどが活躍した。その産物であるアインハルト『カール大帝伝』には,ローマ帝政期の文人スウェトニウスの影響が強くみられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カロリング・ルネサンス」の意味・わかりやすい解説

カロリング・ルネサンス

カロリング朝美術」のページをご覧ください。

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