日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カロ(Heinrich Caro)
かろ
Heinrich Caro
(1834―1910)
ドイツの有機化学者、化学工業家。ポーランドのポズナニ生まれ。初め染色工としての教育を受け、のちに化学を学んだ。イギリスへ留学してA・W・von・ホフマンの弟子たちとともに合成染料の研究を進めた。1868年、バーディシェ・アニリン・ウント・ソーダ・ファブリク社(現、BASF)へ研究主任として入社、グレーベ、K・T・リーベルマンとともに赤色系合成染料アリザリンの工業的合成法を完成し、アカネからの天然染料を駆逐するとともに、コールタール中のアントラセンの利用に成功した。また、1898年に過硫酸H2SO5を発見し、これはカロ酸と名づけられた。
[加藤邦興]
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