カレドニア運河(読み)カレドニアうんが(英語表記)Caledonian Canal

精選版 日本国語大辞典 「カレドニア運河」の意味・読み・例文・類語

カレドニア‐うんが【カレドニア運河】

イギリススコットランド北部のカレドニア地峡を貫く運河北海のモレー湾からネス湖などの湖沼を結び、大西洋ローン湾に通じる。

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デジタル大辞泉 「カレドニア運河」の意味・読み・例文・類語

カレドニア‐うんが【カレドニア運河】

英国スコットランド北部の地峡部を貫く運河。北海大西洋とを結ぶ。ネス湖など湖沼部を含めて長さ約97キロ。

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改訂新版 世界大百科事典 「カレドニア運河」の意味・わかりやすい解説

カレドニア運河 (カレドニアうんが)
Caledonian Canal

イギリス,スコットランド北部のハイランド州(旧,インバネス州)にある閘門(こうもん)式運河。カレドニアはスコットランドの古称。北海側のモレー湾と大西洋側のリニ湾を結ぶグレンモア断層谷に位置し,途中にネス湖,オイク湖,ロキ湖などの氷食された構造湖を含む。このため全長97kmのうち,人工の運河部分は35kmにすぎない。1773年にJ.ワットが調査を実施し,その後T.テルフォードが1803-22年と1843-47年の2期にかけて工事を完成した。最大32mの水位差を29の閘門で克服し,平均深度5.5mで600トンまでの船舶が通行できるが,現在は漁船の利用も減少し,遊覧船が航行するのみである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カレドニア運河」の意味・わかりやすい解説

カレドニア運河
かれどにあうんが
Caledonian Canal

イギリス、スコットランド北部の運河。北海に連なるマリー湾よりカレドニア地溝帯に列状に並ぶネス、オイク、ロッキ、エリーの各湖を結んで、大西洋に通じるレニー湾に至る。全長97.3キロメートル(うち運河開削部35.4キロメートル、湖水利用部61.9キロメートル)、深さ5.2メートル、閘門(こうもん)27がある。ナポレオン戦争中の1803年、フランスの私掠船(しりゃくせん)による通商破壊の被害を避ける目的で、最初から国営事業として着工された。1822年に開通したが、漁船などの小型船が通航可能であったにすぎず、十分な効果をあげなかったので、1842~1847年に改修され、500トンまでの船が通れるようになった。1963年よりイギリス水路協会British waterwaysが管理し、輸送用水路に指定されている。

青木栄一・青木 亮]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カレドニア運河」の意味・わかりやすい解説

カレドニア運河
カレドニアうんが
Caledonian Canal

イギリス,スコットランド北部にある運河。カレドニア地峡を貫き,リニ湾のフォートウィリアムとマリー湾のインバーネスを結ぶ水門式運河で,28の閘門がある。全長は 97kmであるが,地峡沿いにあるネス湖,ロッヒー湖,イール湖などの湖水を利用しているため,実質的な工事区間は 35kmである。平均深度 5.5m。 1773年 J.ワットが計画,1803年 T.テルフォードらにより着工,47年に完成した。大型船舶の運行が不可能であるため,現在ではあまり利用されていない。

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