カルメン故郷に帰る(読み)カルメンコキョウニカエル

デジタル大辞泉 「カルメン故郷に帰る」の意味・読み・例文・類語

カルメンこきょうにかえる〔‐コキヤウにかへる〕【カルメン故郷に帰る】

木下恵介監督脚本による映画題名。昭和26年(1951)公開東京ストリッパー田舎に里帰りしたことで起こる騒動をコミカルに描く。日本映画初のカラー作品。出演高峰秀子、小林トシ子、坂本武ほか。第6回毎日映画コンクール脚本賞受賞。

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改訂新版 世界大百科事典 「カルメン故郷に帰る」の意味・わかりやすい解説

カルメン故郷に帰る (カルメンこきょうにかえる)

1951年製作の木下恵介監督による映画。日本最初の総天然色映画(この宣伝文句で売り出された)。国産カラー(フジカラー)による長編映画の画期的な試みであったが(ロケ地もカラー効果をねらって,浅間山が背景に見えるふもとの村が選ばれた),まだカラーが全面的に信用できない段階で,同時にモノクロでも撮影されたので,2本の作品がある。カラー作品の公開は東京,大阪などの大都市だけで,地方ではモノクロ作品が公開された。ストリッパーのリリーカルメンが芸術家気取りで故郷に錦を飾りに帰って,てんやわんやの大騒ぎになるというコメディで,例えば笠智衆ふんする小学校の校長先生口癖,〈日本は文化国家じゃけん〉に象徴されるように,〈その当時の日本の,完全に植民地化されたところの文化,生活,要するにアメリカナイズされたところの日本人の心の中というものを風刺しようという意図を持って作られた〉(岩崎昶)。カルメンにふんした高峰秀子はこの作品から木下恵介映画のヒロインになる。
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デジタル大辞泉プラス 「カルメン故郷に帰る」の解説

カルメン故郷に帰る

1951年公開の日本映画。日本映画初のカラー作品。監督・脚本:木下恵介。出演:高峰秀子、小林トシ子、坂本武、磯野秋雄、望月美惠子、小池清、佐野周二ほか。第6回毎日映画コンクール脚本賞受賞。

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