カルミン酸(読み)カルミンサン

化学辞典 第2版 「カルミン酸」の解説

カルミン酸
カルミンサン
carminic acid

C22H20O13(492.39).サボテン類に寄生するカイガラムシCoccus cactiから単離される動物色素カルミンの成分.アントラキノン誘導体のC-グルコシド.ザクロ色の光沢ある赤色の柱状晶(メタノール).分解点135 ℃.+51.6°(水).pKa 1.59±0.20.λmax 278,311(sh),491,540(sh)nm(log ε 4.50,4.18,3.89,3.64.メタノール).水,エタノール,エーテル,濃硫酸,水酸化アルカリ溶液に易溶,石油エーテル,ベンゼン,クロロホルムに不溶.アルミニウムイオンやカルシウムイオンとの錯体は深紅色のレーキ顔料となる.絵の具,カラー写真,細菌染色などに用いられる.[CAS 1260-17-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「カルミン酸」の解説

カルミン酸

 C22H20O13 (mw492.39).

 赤色の色素で,コチニールという色素の主成分.コチニールはカイガラムシ科のエンジムシDactylopius coccus]という昆虫の雌を乾燥したもの.着色料として用いる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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