日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリバ・ダム」の意味・わかりやすい解説
カリバ・ダム
かりばだむ
Kariba Dam
ジンバブエとザンビアの国境を流れるザンベジ川中流のカリバ峡谷に建設されたアーチダム。ジンバブエ、ザンビア両国の電力需要にこたえるため、1955年に計画が決定され、59年に完成した。発電設備能力は、77年に完成した北岸発電所をあわせて120万キロワット。ダムの高さ131メートル、総貯水量1850億立方メートルである。電力はハラーレ、ルサカなどの都市やザンビア北部の銅山地帯に送電される。またダムの完成により、観光開発、魚の養殖を含む水産開発、灌漑(かんがい)をはじめとする農業開発が進められている。ダムによって生まれたカリバ湖は長さ282キロメートル、幅19キロメートル、面積5180平方キロメートルで世界的な規模を誇る人造湖である。ダムの建設により約4万人の居住地が水没し、野生動物にも多くの影響を与えた。
[石﨑正和]