カラジウム(英語表記)Caladium

デジタル大辞泉 「カラジウム」の意味・読み・例文・類語

カラジウム(〈ラテン〉Caladium)

サトイモ科多年草。葉は盾形で薄く、白斑赤斑錦葉のものなどがある。花穂仏炎苞ぶつえんほうに包まれる。アマゾン流域の原産日本には明治中期に渡来。にしきいも。 夏》

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精選版 日本国語大辞典 「カラジウム」の意味・読み・例文・類語

カラジウム

〘名〙 (caladium) サトイモ科の属名。熱帯アメリカに一六種が野生し、多くが観葉植物として栽培される。葉は楯形でサトイモの葉に似ているが通常、白、紅などの斑紋がある。日本には明治二〇年(一八八七)ごろ渡来。ハニシキ、ヒメハニシキなどの名前があり、狭義にはアマゾン流域やギアナに生えるカラジウムとビコロールの交配種をさしていう。《季・夏》

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改訂新版 世界大百科事典 「カラジウム」の意味・わかりやすい解説

カラジウム
Caladium

サトイモ科カラジウム(ハイモ)属の球茎植物で,南アメリカの熱帯地域に15種ほどが分布する。サトイモの葉を小型にしたような楯形の葉を多数根生し,美しい色や模様があり,夏の観葉鉢物として人気がある。栽培品はニシキイモC.bicolor Vent.(英名two-coloured caladium)を中心にして改良された園芸品種C.×hortulanum Birdsey)で,明治中ごろに渡来した。キャンディダムcv.Candidumは白地葉脈と葉縁部が濃緑色となる強健種で,葉柄も短く,草姿がよく,最も普及している。輸入品種だが,白鷺しらさぎ)の名で呼ばれることが多い。赤色斑の品種にはクリムソン・ウェーブcv.Crimson Wave,ロード・ローゼンベリーcv.Lord Rosenberryがある。ヒメハニシキC.humboldtii Schottは暗緑色に白斑の入る野生種で,草丈15cmほどの小型種である。ニシキイモのほか2~3の種が南米では根茎や果実,若葉が食用にされている。園芸的に培養するときは,秋まで葉を生存させ,球根を肥大させる。葉が枯れたら,鉢ごと乾かして,春まで休眠貯蔵する。低温では球根が腐るので,15℃以上が望ましい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラジウム」の意味・わかりやすい解説

カラジウム
からじうむ
[学] Caladium

サトイモ科(APG分類:サトイモ科)の観葉植物。和名ニシキイモ。南アメリカに16種分布し、このうち2種が観賞用に栽培され、いずれも不耐寒性の球根草である。一般にカラジウムと称するC. bicolor Vent.はサトイモの葉を小形にしたような薄い楯(たて)形の葉をもち、赤、紫、桃、白などの紋様や斑(ふ)が入って美しい。日本には明治中期に渡来し、初夏からの観葉鉢植えとして利用が多い。多くの品種があるが、日本では白地に鮮緑の葉脈が入るキャンデダム(和名シラサギ)がよく栽培され、このほかに、葉が5~7センチメートルと小形の卵状形で葉脈間に大小の白斑(はくはん)が鮮明に入り、小鉢植えとされるヒメハニシキがある。カラジウムの球根は2~3月に入手し、湿ったミズゴケに植え、25℃くらいの温度で芽を出させてから鉢に植え付け、半日陰でやや湿り気を多くすると、美しい葉が展開する。秋、葉が枯れたら球根を掘り上げ、湿った砂に埋め、10℃以下にならない所で春まで貯蔵する。

[鶴島久男 2022年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラジウム」の意味・わかりやすい解説

カラジウム
Caladium bicolor; caladium

サトイモ科の多年草で,熱帯アメリカ原産。 18世紀末に園芸植物としてヨーロッパに紹介され,のちに多くの品種がつくられた。ニシキイモ (錦芋) またはハニシキ (葉錦) などの名で呼ばれることもある。地下に球状の塊茎があり,初夏の頃,その上部から数枚ないし十数枚のサトイモのような葉を出す。葉身や葉脈に美しい紅色,紅紫色,白色などのまだら模様があり,夏の観葉植物として代表的なもので,鉢植として室内装飾に需要が多い。

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百科事典マイペディア 「カラジウム」の意味・わかりやすい解説

カラジウム

南米の熱帯原産のサトイモ科の球根植物で,15種ほどがある。園芸的に栽培されるのはアマゾン地方原産のニシキイモを中心に改良された園芸品種群で,室内観葉植物として鉢に仕立てられる。葉はサトイモに似て,卵状楯(たて)形で,緑地に紅,桃,白色の大小の斑点や模様が散在して美しい。1887年ころ日本に渡来。高さ10cm内外で,葉柄が比較的長く群生する矮(わい)性種ヒメハニシキもある。

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