カプロン酸(読み)かぷろんさん(英語表記)caproic acid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプロン酸」の意味・わかりやすい解説

カプロン酸
かぷろんさん
caproic acid

炭素6原子からなる直鎖の飽和カルボン酸で、ヘキサン酸ともよばれる。バターパーム油やし油中にグリセリドとして存在する。カプロン酸発酵により酢酸またはエタノールエチルアルコール)から生成する。不快なにおいをもつ無色油状の液体。水には常温で100グラムに対して1グラムぐらい溶け、エーテル、エタノールなどの有機溶媒によく溶ける。香料などの原料に用いられる。

[廣田 穰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カプロン酸」の意味・わかりやすい解説

カプロン酸
カプロンさん
caproic acid

化学式 C5H11COOH 。やや不快臭のある無色油状の液体で,沸点 205℃。香料原料として用いられる。水にわずかに溶け,エチルアルコール,エーテルに溶ける。発酵もしくは化学合成によって得られるが,天然にもバターややし油の中にグリセリドとして存在する。

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栄養・生化学辞典 「カプロン酸」の解説

カプロン酸

 C6H12O2 (mw116.16).CH3(CH2)4COOH.ヘキサン酸ともいう.炭素数6個の飽和脂肪酸で,バター,ヤシ油パーム核油に多く含まれている.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

化学辞典 第2版 「カプロン酸」の解説

カプロン酸
カプロンサン
capric acid

[同義異語]ヘキサン酸

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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