カビテ(読み)かびて(英語表記)Cavite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ
かびて
Cavite

フィリピン北部、ルソン島中西部にあるマニラ湾南岸の港湾都市カビテ州州都。植民地期にはスペインおよびアメリカの軍港として知られた。住民はタガログ人で人口9万9367(2000)。水田、ココナッツ林、養魚池に囲まれるが、近年は工場が増え、マニラの近郊住宅地になりつつある。スペイン領時代、州内にカトリック教団所有地が多かったためもあって、19世紀の独立運動の中心地になった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ
Cavite

フィリピン,ルソン島中部,マニラ湾南岸の小半島上にある市。カビテ州に属する。スペイン領時代に海軍基地兵器廠がおかれた。 1896~1901年にスペイン,次いでアメリカと戦われた独立戦争の中心地で,指導者 E.アギナルドの出身地。アメリカ,フィリピン両国海軍のサングレーポイント基地がおかれている。運輸機器が生産され,マニラの近郊住宅地の性格も強い。人口9万 2000 (1990推計) 。

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百科事典マイペディア 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ

フィリピン,ルソン島中央部の都市。マニラ湾に臨む先端に位置する。1571年スペインの占領以来,海軍基地として重視され,第2次大戦後は米海軍基地となったが,1970年返還。付近はマニラの近郊地域として発展。約10万人(2000)。

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デジタル大辞泉 「カビテ」の意味・読み・例文・類語

カビテ(Cavite)

フィリピン、ルソン島中西部の都市。カビテ州の州都。マニラ湾南岸に突き出た砂嘴さしの半島に位置する港湾都市であり、スペインおよび米国統治時代に軍港が置かれた。19世紀末のフィリピン独立運動の中心地。

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世界大百科事典 第2版 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ【Cavite】

フィリピン,マニラ南郊の基地の町。人口10万3000(1994)。マニラ湾の南東岸から北に向かって突出した幅1km,長さ8kmの砂州でできた半島上に位置する。スペイン統治下でサン・フェリペ要塞が築かれ,アメリカ時代には半島先端のサングレー岬に海軍基地が置かれた。こうした植民地支配の最前線にあったため,1872年には要塞内の兵器廠労働者暴動の発生地に,フィリピン革命時にはカウィット,イムスなど近隣の町と共に交戦中心地に,太平洋戦争時には日本軍の猛攻撃となった。

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