17世紀イタリアの数学者。イタリア諸都市で宗教教育を受け,聖職者を目ざしたが,1616年ピサで,G.ガリレイの弟子カステリに邂逅(かいこう)することにより,数学研究に導かれた。それ以降,ミラノ,パルマなどの修道院に勤務するかたわら数学研究を深化させ,26年ガリレイの力添えによって,ついにボローニャ大学の数学教授のポストに就くに至り,終生その地位にあった。カバリエリは,なにより17世紀の微分積分学形成に大きな役割を果たした《不可分者による連続体の新幾何学》(1635)の著者として知られる。この中でカバリエリは,二つの図形の面積を比較するのに,それぞれの図形を構成する〈不可分者〉の比を対照させる考えを述べている。これは今日〈カバリエリの定理〉という名で親しまれている。死の年の47年には第2の数学書《幾何学演習》を刊行,前著の思想をさらに展開した。カバリエリの無限小幾何学は,ケプラーの《ブドウ酒樽の測定》(1615)で展開された求積法とともに,アルキメデスの古代求積法に代わる近代的求積法の始まりを告げるものであった。また,ネーピアの対数概念を数値計算に広く活用してイタリアに普及させたのも彼である。円錐曲線論,三角法,天文学,占星術などに関する諸著書をも刊行した。
執筆者:佐々木 力
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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