カテーテルアブレーション

デジタル大辞泉 の解説

カテーテル‐アブレーション(catheter ablation)

不整脈に対する非薬物療法一つ先端電極のついたカテーテル血管から心臓内に挿入し、不整脈の原因となっている組織をセ氏50~60度の熱で焼灼しょうしゃくする。心筋焼灼術

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア の解説

カテーテルアブレーション

不整脈の治療法の一つ。心臓は電気信号を発生してそれが上から下へ伝導することで,規則的に鼓動を繰り返している。ところが,不整脈の一種である発作性頻脈のうち,WPW症候群や房質結節回帰性頻脈という病気では,正常な伝導路のほかに余分な伝導路ができてしまう。このため,電気信号がぐるぐる回り出して,運動もしていないのに急に心臓がドキドキし,立ちくらみや息苦しさを伴うこともある。 カテーテルアブレーションは,先端に電極のついた細いカテーテルを血管から心臓に通して,こうした余分な伝導路を高周波電流の熱で焼ききる方法である。カテーテルを挿入する部分の皮膚に局所麻酔をして,手術は2〜3時間,翌日には退院も可能である。開胸手術の必要がないうえ根治治療につながり,発作性頻脈の治療法として確立されている。成功率は8〜9割ほど。1994年から健康保険も適用された。 ただし,この治療法では電流を流して焼いたところに血栓ができる恐れもある。また,焼いた部分がちょうどやけどが治るように回復したために,余分な伝導路が復活する場合もあり,こうなるともう一度同じ処置をしなければならない。 不整脈の治療法には,このほか抗不整脈薬による薬物療法もあるが,これは症状を抑制するだけで,投与しつづけないと予防できない。年に2回くらいしか発作が起きなくても毎日服用しなければならず,副作用心配もある。 このため,どの方法を選ぶかはインフォームド・コンセントが大切である。

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