カウンティ制度(読み)かうんてぃせいど(英語表記)County System

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カウンティ制度」の意味・わかりやすい解説

カウンティ制度
かうんてぃせいど
County System

アメリカ合衆国の各州を構成する郡とよばれる地方自治の組織をさす。その起源は、グレート・ブリテン(イギリス)における最大の行政区であるカウンティ(県)制度に由来する。植民地時代から、広大な農業地帯の南部西部で発達して全国に及び、今日まで3世紀半以上も基本的に変わることなく存続している。当初から、行政委員、収入役、保安官をはじめ、生活全般にわたる役人が、住民選挙で選ばれた。また、治安判事のもとに郡裁判所が置かれた。時代とともに、文化、環境、福祉など都市型のサービス機能が付加されていった。タウン制度の発達したニュー・イングランドでは、裁判の管轄区としてのみ存続している。

[池本幸三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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