オプス・デイ(読み)おぷすでい(英語表記)Opus Dei スペイン語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オプス・デイ」の意味・わかりやすい解説

オプス・デイ
おぷすでい
Opus Dei スペイン語

1928年、スペイン人の神父ホセ・マリア・エスクリバによって創設された宗教団体。「神のみわざの聖十字架聖職者団」Sociedad Sacerdotal de la Santa Cruz del Opus Deiの略称独得のエリート主義と内密で厳格なヒエラルキーの組織をもつ。1940年ごろからスペインの大学、研究機関に影響力をもち始め、その後世界各国に広まり、1950年にローマ教皇から認可を受けた。1950年代後半からフランコ政権内の一グループを形成、おもに経済政策を担当して政界にも進出した。スペインでは、ほかに教育機関、銀行、諸企業、出版社、新聞社などにも影響力をもっている。団員は1970年代前半に5万~6万人といわれ、半数以上がスペイン人である。基本的文書は1939年のエスクリバの著『道』で、本部ローマにある。

[深澤安博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「オプス・デイ」の意味・わかりやすい解説

オプス・デイ

スペインの宗教団体ラテン語で〈神の偉業(みわざ)〉の意。1928年エスクリバ神父が創設。個々の職業地位,生活条件の中でキリスト教の徳を体現する,現実的かつ個人的な福音を唱える。フランコ体制(1939年―1975年)と密接に結びつき,影響力を発揮経済発展貢献,政治矛盾から国民の目をそらすのに役立った。現在,全世界に拡大。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「オプス・デイ」の解説

オプス・デイ
Opus Dei

1928年にスペイン人司祭エスクリバが創立したカトリックの団体で,保守的・伝統的性格が強い。43年にローマ教皇庁の承認を受けた。フランコ体制下,メンバーは高等学術研究所や大学のスタッフとして活躍する一方,57年以降テクノクラートとして政策決定に関与して,60年代には「奇跡の経済成長」に大きく寄与した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android