オナガドリ(読み)おながどり(英語表記)Japanese long-tailed fowl

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オナガドリ」の意味・わかりやすい解説

オナガドリ
おながどり / 尾長鶏
Japanese long-tailed fowl
[学] Gallus gallus var. domesticus

鳥綱キジ目キジ科の鳥。ニワトリの1品種チョウビケイナガオドリともよばれる。江戸時代中期に土佐藩(高知県)でつくられ、昭和初期にようやく完成された銘鶏で、その名のように約二十数本の尾羽換羽せず伸び続ける。長いものは約12メートルにも達するが、普通は5~6メートルである。突然変異種を固定したもので、尾を長くするには高くて狭い留め箱を用い、育成には格別の苦心を要する。この長い尾羽は、参勤交代行列の槍鞘(やりざや)を飾るために、土佐藩主山内家の特別の保護を受けたといわれている。本種はショウコクという品種から生じたもので、羽色は、本来は白藤(しらふじ)(白笹(しろざさ))であるが、白と少数の赤笹もある。「土佐のオナガドリ」は、特別天然記念物に指定されている。

[西田隆雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オナガドリ」の意味・わかりやすい解説

オナガドリ
Gallus gallus; Japanese long-tailed fowl

キジ目キジ科。ナガオドリ,チョウビケイともいわれ,高知県を中心に飼育されているニワトリの一品種。雄の尾羽と簑毛(腰の羽毛)が生え変わらずに長く伸び,長いものでは 10m以上に達する。雌の尾羽はかなり長く伸びるが毎年脱落する(→換羽)ため,雄に比べて短い鶏冠単冠で,羽色には白藤,白色,赤笹,五色という色の違った系統がある。近年近親交配の影響で尾羽があまり長くならない鳥が多く,飼育数も減っているため,保護に努力が払われている。1952年に国の特別天然記念物(→天然記念物)に指定された。

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