オナガコバチ(読み)おながこばち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オナガコバチ」の意味・わかりやすい解説

オナガコバチ
おながこばち / 尾長小蜂

節足動物門昆虫綱膜翅(まくし)目オナガコバチ科Torymidaeの昆虫の総称和名は「産卵管の長いコバチ」の意味で、学名はギリシア語で「穴を産卵管であける」という意味。体長2~3ミリメートルのものが多く、体は黄金色、青緑色などの金属光沢があり、雌は長い産卵管をもつ。虫こぶの昆虫に寄生するもの、植物の種子に寄生するもの、あるいは第二次寄生バチとなるものもある。次に日本産の特徴的な3種をあげる。バラノミオナガコバチMegastigmus aculeatusは、体長が3ミリメートルで、産卵管は体長よりすこし長く、ノイバラの種子に寄生する。クリマモリオナガコバチTorymus beneficusは、体長が2ミリメートルで、クリの害虫クリタマバチに寄生する有力な天敵。イヌビワオナガコバチGoniogaster inubiaeは、体長が1.7ミリメートルで、長卵管は体長の2倍あり、イヌビワコバチに寄生する。

[立川哲三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android