日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
オドエフスキー(Aleksandr Ivanovich Odoevskiy)
おどえふすきー
Александр Иванович Одоевский/Aleksandr Ivanovich Odoevskiy
(1802―1839)
ロシアの詩人。公爵。ペテルブルグ生まれ。劇作家グリボエードフと作家V・オドエフスキーの従兄(いとこ)。レールモントフとも親交があった。1825年のデカブリストの蜂起(ほうき)に参加してシベリアへ流刑となり、のちカフカスへ移され、一兵卒として勤務中にマラリアで死んだ。その作品には、失敗に終わったデカブリスト運動の歴史的意味づけや、一般的歴史過程の道徳的・哲学的考察を含んだロマン主義的叙情詩が多い。それらは、いずれも流刑生活の悲しみや悲運の思いを映し出している。なかでも、デカブリストを勇気づけようとしたプーシキンの詩『シベリアへ』にこたえた詩『プーシキンに答える』(1827)が有名である。
[灰谷慶三]