オテロ(英語表記)Otello

精選版 日本国語大辞典 「オテロ」の意味・読み・例文・類語

オテロ

(Otello) シェークスピア作の戯曲オセロ」によるオペラ。四幕。ベルディ作曲。ボイート作詞。一八八七年ミラノで初演ほかに、ロッシーニ作曲の同名のオペラがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「オテロ」の意味・読み・例文・類語

オテロ(Otello)

ベルディ作曲のオペラ。4幕。1887年ミラノで初演。シェークスピアの戯曲「オセロ」に基づく。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「オテロ」の意味・わかりやすい解説

オテロ
Otello

シェークスピアの悲劇オセロー》に基づいて作曲されたオペラ。イタリア語台本による。

 (1)ロッシーニがベリオ伯の台本に作曲,1816年12月4日ナポリのフォンド劇場で初演した3幕のオペラ。全曲を通じて舞台はベネチアで進行,シェークスピアやベルディの作品にみられるキプロスハンカチーフの場面は現れない。喜歌劇にすぐれた作品を多く残したロッシーニの,シリアスな面を代表する傑作として音楽的にも高い評価を受け,一時期愛好されたが,ベルディの作品が現れるに及んで,その地位を譲った。

 (2)ベルディが,作曲家でもあったA.ボーイトの台本に,7年の歳月をかけて作曲した4幕のオペラ。初演は1887年2月5日ミラノ・スカラ座(日本初演は1925年3月イタリア・カーピ歌劇団による。日本人による初演は53年10月二期会による)。シェークスピアの原作にある第1幕ベネチアの場面は前史的に扱われて省略され,第2幕以降キプロスでの物語を忠実に追って構成されている。ベルディはオテロの役を当時の大テノール歌手タマーニョFrancesco Tamagno(1851-1905)にあてて作曲したため,強い声の響きを持った歌手でなくてはこの役はつとまらず,上演は制約されるが,強大な表現力,説得力を持った音楽と劇的構成の巧妙さから,ベルディ最大の傑作として愛好されている。

 物語の舞台は15世紀ベネチア領のキプロス島。ベネチアの貴族の娘デズデモナと結婚,キプロス島の新総督として着任したベネチアの将軍,黒人のオテロは,サラセン軍の船を撃退,勇躍凱旋するが,後輩の若いカッシオの出世に恨みを抱いた腹黒い旗手ヤーゴの奸計にあって妻とカッシオの仲を疑い,嫉妬のあまり彼女を絞殺するが,誤解と知って自害する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「オテロ」の意味・わかりやすい解説

オテロ

ベルディの4幕のオペラ。1884年−1886年に作曲され,1887年ミラノのスカラ座で初演。シェークスピアの悲劇《オセロー》をオペラ《メフィストーフェレ》(1868年)で知られるイタリアの作曲家A.ボーイト〔1842-1918〕が台本化。同じくボーイトの台本による《ファルスタッフ》と並ぶベルディ晩年の傑作で,悲劇オペラの最高峰とされている。ロッシーニにも同名のオペラ(1816年)がある。→ポンキエリ
→関連項目デル・モナコ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「オテロ」の解説

オテロ〔バレエ〕

アメリカの舞踊家・振付家ジョン・ノイマイヤーによるバレエ(1985)。原題《Otello》。初演はハンブルク・バレエ団。音楽はアルヴォ・ペルト、アルフレート・シュニトケなどを使用。シェークスピアの同名の戯曲に基づく。

オテロ〔オペラ〕

イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディのイタリア語による全4幕のオペラ(1887)。原題《Otello》。シェークスピアの戯曲『オセロ』を題材とする。ほかにロッシーニ作曲の同名のオペラ作品がある。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オテロ」の意味・わかりやすい解説

オテロ
Otello

ベルディ晩年のオペラ。 1887年ミラノ初演。シェークスピアの四大悲劇の一つ『オセロ』を底本にしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android