オットー(Otto von Freising)(読み)おっとー(英語表記)Otto von Freising

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

オットー(Otto von Freising)
おっとー
Otto von Freising
(1111/1115―1158)

南ドイツ、フライジンクの司教ホーエンシュタウフェン朝の年代記作者。オーストリア辺境伯と皇帝ハインリヒ4世の娘アグネスとの間に生まれる。ホーエンシュタウフェン朝のコンラート3世とは異父兄弟、フリードリヒ1世には叔父にあたる。『年代記、または二つの国について』『フリードリヒ治績』の2書において、叙任権闘争期および初期ホーエンシュタウフェン朝時代の歴史を叙述した。地上の国と神の国を対立させてとらえるアウグスティヌスの歴史観を継承し、教皇権と皇帝権との協調を理想とする立場から、この理想がフリードリヒ1世によって実現されることに期待を寄せた。とくに前者は、中世のキリスト教的歴史叙述のうち最高の作品と評価される。

[平城照介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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