オズボーン(Henry Fairfield Osborn)(読み)おずぼーん(英語表記)Henry Fairfield Osborn

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

オズボーン(Henry Fairfield Osborn)
おずぼーん
Henry Fairfield Osborn
(1857―1935)

アメリカの古生物学者。コネティカット州の生まれ。1891年ニューヨークのアメリカ自然史博物館の標本管理者、1896年にはコロンビア大学動物学教授に就任した。1902年にはワシントン州のカーネギー研究所古生物学および動物学委員会の委員長に、1906年にはスミソニアン研究所の事務局長に選出された。ニューヨークの自然史博物館から、アフリカ、中国、モンゴルなどの各地に探検隊を派遣し、膨大な化石標本を収集した。哺乳(ほにゅう)動物化石および石器について優れた研究を行い、『哺乳類時代』(1910)や『旧石器時代の人類』(1915)などの古典的労作を残した。とくに長鼻類一連の研究(1934~1942年刊行)は今日もなお重要な文献となっている。コープ定向進化説を継承し、脊椎(せきつい)動物の進化を説き、適応放散法則を具体的に裏づけた。

[大森昌衛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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