オスターデ(読み)おすたーで(英語表記)Adriaen van Ostade

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オスターデ」の意味・わかりやすい解説

オスターデ
おすたーで
Adriaen van Ostade
(1610―1685)

オランダ画家ハーレムに生まれる。1634年以来同地の画家組合のメンバーとして油彩800点以上、銅版画約50点を制作し、同地で没した。ハルスに学んだと推定される。主としてオランダの農民生活を、室内および建物を背景として描き、同じ主題を版画でも制作した。30年代の作品は明るく多彩であるが、その後レンブラントの影響で褐色の暖かい色調に変わった。代表作は『村の酒場』(カールスルーエ美術館)、『工房の画家』(ドレスデン絵画館)など。なお、弟イサークIsaack van Ostade(1621―49)は兄に学んだ画家で、風俗と風景とを融和させ群像と光の処理に新生面を開いた。

[野村太郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オスターデ」の意味・わかりやすい解説

オスターデ
Ostade, Adriaen van

[生]1610.12.10. ハールレム
[没]1685.5.2. ハールレム
オランダの画家,版画家。最初 F.ハルスのもとで学んだが,ハルスよりむしろ同門の A.ブラウウェルに影響される。農民の日常生活を扱った風俗画を多く描き,宗教的な題材や風景,肖像画なども描いた。 1640年代に入ってからは,明暗効果の表現に,明らかにレンブラントの影響のみられる室内情景作品も現れた。弟のイサクは彼の多くの弟子の一人。主要作品『酒盛りをする農夫たち』 (1638頃) ,『旅回りのバイオリン弾き』 (72) 。

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