オスク語(読み)オスクご(英語表記)Oscan language

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オスク語」の意味・わかりやすい解説

オスク語
オスクご
Oscan language

インド=ヨーロッパ語族イタリック語派に属する死語。イタリア南部のサムニウム地方を中心として,1世紀まで行われていたが,1世紀の終りには完全にラテン語に取って代られた。前5世紀から後1世紀にわたる 250ほどの碑文によって知られている。碑文は,ローマ字ギリシア文字エトルリア文字から派生した特有の文字などで書かれている。ウンブリア語と近い関係にあり,オスク=ウンブリア諸語としてまとめられる。

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世界大百科事典(旧版)内のオスク語の言及

【イタリック語派】より

…いずれも前1千年紀のイタリアで行われていた言語であるが,後者に属するラテン語が,その話し手たるローマ人の台頭とともに勢力を伸ばし,他のイタリック諸語を消滅へと追いやった。オスク・ウンブリア語群はオスク語,ウンブリア語,その他の群小方言から成り立つ。オスク語はかつて半島南部一帯に広大な勢力を有し,ポンペイやカプア出土のものを含め,200以上にのぼる碑文(前5~後1世紀)によって今日に伝えられる。…

【オスク・ウンブリア語】より

…ラテン語とは異なる言語的特徴を示す。オスク(オスキ)語は南イタリアのカンパニア地方を中心とし,ウンブリア語はウンブリア地方に話され,ともに紀元前の碑文資料をもつが,前者は地震で埋没したポンペイ遺跡の落書にもみられる。ローマ帝国の興隆とともに,これら小部族の言語はラテン語に吸収されてしまった。…

※「オスク語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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