オクタヴィアヌス(英語表記)Gaius Julius Caesar Octavianus

旺文社世界史事典 三訂版 「オクタヴィアヌス」の解説

オクタヴィアヌス
Gaius Julius Caesar Octavianus

前63〜後14
古代ローマの初代皇帝(在位前27〜後14)
カエサルの甥 (おい) で,彼の養子となり,カエサルが暗殺されたのち,政敵を討ってアントニウスレピドゥスとともに前43年に第2回三頭政治を成立させた。レピドゥスの失脚後,クレオパトラと結んだアントニウスをアクティウムの海戦に破り,前30年エジプトを支配下に置いた。前28年,元老院からプリンケプス(「市民の第一人者」の意)の称号,さらに翌前27年にはアウグストゥス(Augustus,「尊厳者」の意)の称号を受け,ここに実質上の帝政が始まった。こうして要職を一手に握ったが,元老院その他の共和政の制度は残した(プリンキパトゥスの始まり)。軍事的には,養父カエサルより消極的で,領土の防衛を主としたが,政治家としてはきわめてすぐれており,領土拡張より内政の充実に重点を置いて「パックス−ロマーナ(ローマの平和)」をもたらし,ローマ帝国の基礎を確立した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android