オカナガン低地(読み)オカナガンていち(英語表記)Okanagan Valley

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オカナガン低地」の意味・わかりやすい解説

オカナガン低地
オカナガンていち
Okanagan Valley

カナダ,ブリティシュコロンビア州中南部の農業地域。オカナガン川流域にあり,アメリカとの国境から北緯 51°のシュスワップ湖まで全長約 210km。東側の山地とは約 1200mの比高がある。低地の中央部は細長く横たわるオカナガン湖で,そのまわりには低平な台地が広がる。耕地は州の耕地面積の 15%を占める。低地中央部から南側には褐色土,暗褐色土,黒色土がみられ,北部では褐色ポドソル土壌がみられる。南部では灌漑なしに農業をすることは困難であるが,北部では灌漑なしに混合農業が行われる。灌漑を利用した果樹栽培が特徴で,その半分がリンゴ,ほかにナシ,モモ,プラム,サクランボなどがある。隣接する山地の融雪水が灌漑に使われる。夏は乾燥した暑い日が続き,色の美しい,香りのよい果実が得られる。南部での年降水量は 250mm,7月の平均気温は 23.3℃。北部のバーノンでは年降水量 375mm。冬の最低気温は南部でもまれに-25℃となる。畜産物,イチゴタマネギジャガイモなどを産する。バーノン,ケローナ,ペンティクトンが商業の中心。

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