エーモニエ(英語表記)Étienne-François Aymonier

改訂新版 世界大百科事典 「エーモニエ」の意味・わかりやすい解説

エーモニエ
Étienne-François Aymonier
生没年:1844-1929

旧フランス領インドシナ軍人,植民地官吏。カンボジア,チャンパ王国の研究を最初に手がけた学者。南フランスのサボアに生まれ,1868年陸軍士官学校卒,すぐにインドシナに配属され,行政官となる。カンボジアの言語・習俗・歴史に興味を寄せ,74年からサイゴン(現,ホー・チ・ミン)の官吏養成校でカンボジア語教官となる。さらに駐カンボジア理事官代理(1879-81)などを務めるかたわら,カンボジア全域,ラオス,タイ,ベトナム南部(チャム族の居住地)で調査活動(1882-85)を行い,着任以来,各地で貝葉写本,碑刻文拓本等を収集する。1905年退官。在勤中から土着の文化と歴史に関する著作,論文を精力的に発表し,その数は57点の著作等に及んだ。《クメール・フランス語辞典》(1874),《チャム語文法》(1889),《カンボジア誌》(3巻。1900-04)などは現在でも必読書となっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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