エルディグズ朝(読み)エルディグズちょう(英語表記)Eldigüzids

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルディグズ朝」の意味・わかりやすい解説

エルディグズ朝
エルディグズちょう
Eldigüzids

イラン北西部を支配したトルコ系アター・ベグ朝 (1146頃~1225) 。イラクセルジューク朝に仕えたキプチャク・トルコ人奴隷出身のシャムス・ウッディーン・エルディグズ Shams al-Dīn Eldigüz (在位 1146頃~75/6頃) がアゼルバイジャンに独立して創始。パフラバーン (在位 75/6頃~87) の治世にジバールやファールスに勢力を拡大すると同時に,イラクのセルジューク朝国家の実権をも握った。その後,内部分裂ならびにホラズム・シャー朝モンゴルに押されて衰退,1225年ホラズム・シャー,ジャラール・ウッディーンによって滅ぼされた。同朝はモスクマドラサの建築および学者,文人の保護でも知られ,詩人ニザーミー・ガンジャビーはその作品のいくつかを同朝の君主に献呈している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android