日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
エリス(Alexander John Ellis)
えりす
Alexander John Ellis
(1814―1890)
イギリスの言語学者、音響学者、数学者。イートン校を経てケンブリッジ大学で数学と古典学を学ぶ。初めは数学者であったが、英語の発音についての科学的研究を通して音声学を専門とする。さらには1875年にヘルムホルツの『音感覚論』を英訳して以来、音階や音律についての音響学的研究へと進み、諸民族の楽器の音律測定に大きな足跡を残し、音程の単位としてセント算法を考案した。『諸民族の音階』(1885)は、後の比較音階研究の隆盛を暗示した古典というべき著書である。
[川口明子]
『門馬直美訳『諸民族の音階』(1951・音楽之友社)』
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