日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリザベス(2世)」の意味・わかりやすい解説
エリザベス(2世)
えりざべす
Elizabeth Ⅱ
(1926―2022)
イギリスの国王(在位1952~2022)。ヨーク公(後のジョージ6世)の長女として4月21日生まれる。1936年エドワード8世の退位に伴い、父が国王に即位したことにより、第1位の王位継承者となった。1947年11月エジンバラ公フィリップと結婚、父王の死で1952年2月国王となり、翌1953年6月、世界の耳目を集めて盛大な戴冠(たいかん)式を行った。国内での種々の公務をこなすとともに、しばしば国外に出て世界各地を訪問し、イギリスの外交に少なからぬ役割を果たした。1975年(昭和50)5月に日本を訪れたのも、その外交活動の一環である。王室メンバーをめぐるスキャンダルなどで王室の権威が揺らぐなか、その立て直しに努め、2002年、2012年、2022年には即位50年目、60年目、70年目の祝賀が行われた。2015年にはビクトリア女王を抜いてイギリス史上最長の君主となった。夫君フィリップとの間にチャールズ国王、アン王女、アンドルー王子、エドワード王子の4人の子がいる。
[木畑洋一 2022年9月21日]
『ロバート・レーシー著、浅井泰範訳『女王エリザベス』(1979・朝日イブニングニュース社)』▽『サラ・ブラッドフォード著、尾島恵子訳『エリザベス』上下(1999・読売新聞社)』