エムス川(読み)エムスがわ(英語表記)Ems

改訂新版 世界大百科事典 「エムス川」の意味・わかりやすい解説

エムス[川]
Ems

ドイツ北西部の平野を流れ,北海に注ぐ川。全長371km。トイトブルガー・ワルト南東端に源を発し,ミュンスター地方を北西流する。ライネ付近から低湿地と沼沢地に富むエムス地方をオランダとの国境にほぼ並行して北流し,エムデンで北海につながる入江に注ぐ。途中多くの運河と交差し,エムス川自身もその一部として利用されている。河畔のリンゲン周辺では豊かな埋蔵量を持つ油田が開発され,湿原に工業都市が成長してきている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エムス川」の意味・わかりやすい解説

エムス川
エムスがわ
Ems

ドイツ西部,ノルトラインウェストファーレン州北東部にあるトイトブルク山地の南斜面に発し,西流しミュンスター付近で北転,オランダとの国境近くを流れて北海に注ぐ川。河口のドラールト湾まで全長 371km。 1892~99年に下流を浚渫して運河化し,同時にドルトムント=エムス運河を開削した。運河はほぼエムス川に沿い,全長 266kmで,1500t級の船の航行が可能。ルールの工業地帯への鉄鉱,原材料搬入,石炭搬出に大きな役割を果す。ライン=ヘルネ運河,ミッテルラント運河とも連絡している。河口のドラールト湾に面して要港エムデンがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エムス川」の意味・わかりやすい解説

エムス川
えむすがわ
Ems

ドイツ北西部の川。ウェストファーレン地方のトイトブルガー山地南東部に源を発し、初めは北西に、のち北へ流れ、エムデン付近で北海に注ぐ。全長371キロメートル。中流部ではこの川とほぼ並行してドルトムント・エムス運河が通じ、下流部では河道自体が運河に組み込まれている。

[浮田典良]

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