エピクレシス(読み)えぴくれしす

世界大百科事典(旧版)内のエピクレシスの言及

【典礼】より

…教会はギリシア語でekklēsia(〈集会〉の意)と呼ばれるように,呼び集められた神の民であり,典礼はこの神の民が神の業を記念し,神にささげる共同の奉献であり信仰告白であるが,この呼び集める力,思い起こし記念する力,ささげる力,あかしする力は聖霊の力と考えられる。典礼におけるこの聖霊の働きは,エピクレシスepiklēsis(呼び求める力(こと))と呼ばれ,秘跡(サクラメント)の効果は,一定のことばとしるしのもとにおけるこの聖霊の働きの成果にほかならない。典礼は,東方正教会で〈奉神礼〉と呼ぶように,神にささげる礼拝であるから〈神奉仕〉ともいわれるが,同時にこれは,神が人間に働きかけ,奉仕することも意味している。…

【フィレンツェ公会議】より

… 討論は懸案の上記3点のほか,以下の諸議題にわたった。それは,(1)ラテン神学固有の〈煉獄purgatorium〉,(2)東方正教会のエピクレシスepiklēsis(《マルコによる福音書》14章にみる〈これは私のからだである。……これは私の血である〉に加えてさらに,聖霊に向かって聖職者が行うところの,パンとブドウ酒が,キリストの体と血にかえられるようにとの祈り),(3)14世紀に東方正教会内で問題となったヘシュカスモスにおける,神の本質と働きの関係,の三つであった。…

※「エピクレシス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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