エットリンゲン石(読み)エットリンゲンセキ(英語表記)ettringite

デジタル大辞泉 「エットリンゲン石」の意味・読み・例文・類語

エットリンゲン‐せき【エットリンゲン石】

エトリンガイト

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エットリンゲン石」の意味・わかりやすい解説

エットリンゲン石
えっとりんげんせき
ettringite

カルシウムCa)とアルミニウムAl)の含水硫酸塩鉱物。エトリング石、エトリンガイトともいう。ドイツのライン地方マイエンMayen近郊エットリンゲンEttringenにおいて、白榴(はくりゅう)石‐霞石(かすみいし)テフル岩leucite-nepheline tephriteというケイ酸分に非常に乏しいアルカリ火山岩中に捕獲された石灰岩の岩片の空隙(くうげき)から発見され、以後世界各地で同様の産状のものが確認されている。日本では福島県のスカルン中に微量を産する。自形は六角短柱状であるがまれ。多く羽毛状。いったん高温条件を経験した石灰岩起源のスカルン鉱物が低温高水蒸気圧条件で分解し、本鉱になったものと考えられている。軽量かつ強靭(きょうじん)であるというその特性を生かして、セメント固化の過程でこれに相当する物質が、固化の反応に伴って生成されるよう、原料の調整が行われている。命名は原産地にちなむ。

加藤 昭 2015年12月14日]

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