エッツタール・アルプス(読み)えっつたーるあるぷす(英語表記)Ötztal Alps

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エッツタール・アルプス」の意味・わかりやすい解説

エッツタール・アルプス
えっつたーるあるぷす
Ötztal Alps

オーストリアのチロール州とイタリアのトレンティーノ・アルト・アディジェ自治州の間に東西に延びるアルプス東部の山脈最高峰はオーストリア第二の高峰ウィルトシュピッツェ山(3774メートル)。西側はイン川上流、南側はベノスタ谷。東のオーストリア側のエッツタール谷はイン川支流エッツ川の谷でU字谷をなし、エッツ、レンゲンフェルト、ゼルテンなどの保養地があり、エッツタール地方とよばれ、冬は良好なスキー場となる。観光のほか牧畜が主産業で、移牧が行われ、アルムといわれる夏の牧場は森林限界の上にまで広がっている。

[徳久球雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のエッツタール・アルプスの言及

【チロル】より

…河川の豊富な水量は,チロルをオーストリアにおける重要な水力発電地帯にしている。スキーで有名なザンクト・アントンSankt Antonからチロル州の州都インスブルックに行く途中,車窓から望見できる氷河に輝くエッツタール・アルプスで有名なエッツタールÖtztalは,東アルプス最大の渓谷の一つであり,また古い民俗の宝庫としても知られている。 チロル州の住民の大半を占めるのは6世紀に北方から入ってきたバイエルン族であるが,南からはロマンス語系の人々,北西からはアラマンニ族が入り,その間に古来のケルト系の子孫と思われる人々が残存して,方言,服装,家屋,習俗は渓谷の多彩な景観と対応して,谷ごとに,村ごとに異なるとさえ言われている。…

※「エッツタール・アルプス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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