エジプト語(読み)エジプトご(英語表記)Egyptian language

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エジプト語」の意味・わかりやすい解説

エジプト語
エジプトご
Egyptian language

ナイル文明発生地の言語で,前 4000年頃以来の歴史をもつ。同一地域でこれほど長い歴史をもつ言語はほかにない。アフロ=アジア語族に属する。古代エジプト語は子音体系が豊富で,喉音音素の種類が多くあり,強勢音をもっていたことが特色。中期エジプト語は前 2000年頃からの中王国時代の碑文で知られる。前代象形文字に代り,パピルスに書かれた神官文字が多くなる。法律文書などには当時の口語もみえはじめる。新エジプト語は前 1580年頃からの新王国時代の口語をいう。前6世紀 (末期王朝) には民衆文字ができあがった。「古代エジプト語」は以上の総称としても用いられる。3世紀頃からキリスト教徒に用いられたエジプト語をコプト語といい,エジプト語の最後の段階であるが,16世紀には事実上アラビア語に圧倒されてしまい,教会典礼に残るだけである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「エジプト語」の意味・わかりやすい解説

エジプト語【エジプトご】

ナイル川流域において前5000年から用いられた古代エジプト語のこと。ハム語の一つを構成するとされる。古語ピラミッド・テキスト),中期,新エジプト語を経て,前7世紀に民衆口語が成立,後3世紀には最新層のコプト語に続く。→エジプト文字
→関連項目ベルベル諸語

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

精選版 日本国語大辞典 「エジプト語」の意味・読み・例文・類語

エジプト‐ご【エジプト語】

〘名〙 アフロ‐アジア語族、または伝統的にハム語族と呼ばれているものに属する言語。紀元前五〇〇〇年代からナイル文化圏で用いられてきたが、現在はアラビア語に駆逐されている。また、現在のアラビア語のエジプト方言をエジプト語という場合もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典 第2版 「エジプト語」の意味・わかりやすい解説

エジプトご【エジプト語 Egyptian】

古代エジプト語のこと。ハム・セム語族に属する。一般に古代エジプト人がハム人とよばれているように,エジプト語もハム語を母体としセム語影響を受けたものと解されているが,西アジアのセム語との関係は究明されているものの,アフリカのハム語が古代文献を欠いているために,それとの関連は未詳である。前5千年紀初めころからナイル川下流地方に生成しつつあったものと考えられるが,文献資料の出現は前3200年ころである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

サルノコシカケ

サルノコシカケ科やその近縁のキノコの総称。日本では4科約40属300種が知られ,ブナ林に日本特産種が多い。樹木の幹につき,半円形,木質で厚く堅く,上面には同心円紋があるものが多い。下面には無数の穴があ...

サルノコシカケの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android