エオシン

精選版 日本国語大辞典 「エオシン」の意味・読み・例文・類語

エオシン

〘名〙 (eosin) 鮮紅色酸性染料。青赤色または褐色粉末で、水に溶けやすい。羊毛、絹、ナイロンなどの染色、顕微鏡用組織標本の染色、分析用試薬、赤インクなどに用いる。

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デジタル大辞泉 「エオシン」の意味・読み・例文・類語

エオシン(eosine)

赤色の酸性染料の一。赤インク・レーキ顔料・分析用試薬などに使用ヨーシン

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化学辞典 第2版 「エオシン」の解説

エオシン
エオシン
eocine

エオシンYとエオシンBが知られている.【】エオシンY:C20H6O5Br4Na2(691.83).アシッドレッド87ともいう.フルオレセイン臭素化で合成される青味がかった赤色の結晶.濃い水溶液は深赤褐色を,薄い水溶液は黄赤色を呈する.薄い水溶液およびアルコール溶液は,強い緑色蛍光を発する.顔料,染料,赤色インキなどに使用される.【】エオシンB:C20H6O9N2Br2Na2(624.05).アシッドレッド91ともいう.4′,5′-ジブロモフルオレセインのニトロ化によって合成される赤色の粉末.水溶液は緑色蛍光を発する.羊毛や綿の染料に用いられるほか,細胞核や筋繊維の顕微鏡標本着色用染料として用いられる.

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改訂新版 世界大百科事典 「エオシン」の意味・わかりやすい解説

エオシン
eosin



キサンテン環をもつキサンテン染料として最初につくられた染料。キサンテン染料の特色は蛍光を有するきわめて鮮明な色相をもつことで,繊維用として,耐光堅牢度は低いが美麗な染色物を得るため現在でも使用されている。エオシンはフルオレセインを水溶液またはエチルアルコール溶液とし,臭素を加えテトラブロム化したのちナトリウム塩とする。水にはよく溶け,蛍光のある赤色を呈する。エチルアルコールにはやや溶けにくい。木綿,絹,羊毛,ナイロン,アクリル繊維などの染色用のほか,紙,雑貨,印刷インキ文具生体染色,指示薬などに使用される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エオシン」の意味・わかりやすい解説

エオシン
eosin

C20H8Br4Na2O5スイスのガイギー社製の酸性染料。帯青赤色結晶または褐色粉末で,水に溶け褐色ないし黄赤色を呈し緑色ケイ光を発する。堅牢度については洗濯に良好,日光に弱い。吸着指示薬またはケイ光指示薬として分析に用いられるほか赤インキの原料,光増感剤として光化学反応にも用いられる。エオシンの鉛塩はエオシンレーキとしてクレヨン,タイプリボンや印刷インキに用いられるが,耐光性に難がある。

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百科事典マイペディア 「エオシン」の意味・わかりやすい解説

エオシン

赤インキなどに使う赤色染料。テトラブロムフルオレセインのナトリウム塩。フルオレセインに臭素を作用させればつくられる。水溶性で蛍光性をもつ赤色を呈し,光により退色する。(図)
→関連項目フルオレセイン夜光塗料

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栄養・生化学辞典 「エオシン」の解説

エオシン

 C20H6Br4Na2O5 (mw691.86).

 酸性の染料で,動物性繊維を染色したり,細胞の試料の染色にも用いられる.またかつては食用色素としても使われた.

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