エイクマン(Johann Frederik Eijkmann)(読み)えいくまん(英語表記)Johann Frederik Eijkmann

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

エイクマン(Johann Frederik Eijkmann)
えいくまん
Johann Frederik Eijkmann
(1851―1915)

オランダの薬学者。明治初期のお雇い外国人教師。州学校長を父にヘルデルラントに生まれる。ライデン大学出身。薬学博士。1877年(明治10)日本政府の招きで長崎司薬場薬品試験監督に来任、のち東京司薬場に移った。当時不明であった脚気(かっけ)の病因を食事にあるとし、常用食品の化学分析を指導して食品衛生の領域を開発した。司薬場満期後、東京帝国大学薬学教授となり、多くの日本植物の成分研究を行い、とくにケシ科の新アルカロイド、マクレインの元素分析に成功し、著書を出版して日本植物の研究者としての名を高めた。『日本薬局方』第1版編纂(へんさん)への貢献度もきわめて高い。1885年帰国に際し明治天皇に拝謁、勲四等を賜る。帰国後アムステルダム大学教授。『日本薬局方註解(ちゅうかい)』は、エイクマンが編纂した原文翻訳刊行したものである。

[根本曽代子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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