精選版 日本国語大辞典 「ウード」の意味・読み・例文・類語
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アラブ音楽の中心的楽器。ヨーロッパのマンドリン,日本の琵琶と似た形で西洋梨形の胴をもつ弦楽器。木製で,糸巻のある先端半分ほどが後方へ傾斜した柄をもつ。フレットはない。弦はガット,ナイロン,または金属製で,4弦または5組の複弦,あるいは5組の複弦プラス単弦など,数はさまざまである。西アジアから北アフリカまで広く分布し,各地方により少しずつ形や装飾が異なる。調弦法も地域により,大きく分けて2種類のタイプがある。一つは西南アジアのもので,最低音の弦と次の弦が長2度間隔に調弦されるほかはすべて完全4度間隔に調弦される。もう1種はチュニジア,モロッコなどの北アフリカ地方のもので,オクターブと完全4度,5度,あるいは長6度と完全5度,4度に調弦される。弦は,ワシの羽の根元の部分を右手に持ってはじくか,指先ではじいて奏される。アラブの音楽文化の中で,楽器の王者と呼ばれるほど重要な役割をもち,独奏をはじめ,歌の伴奏のほか,カーヌーンやナーイ,またタブラなどの弦楽器とのアンサンブルでも奏される。歴史的には起源は明らかでないが,イスラム初期あるいはそれ以前に,木製の胴をもつペルシアのバルバトbarbaṭが紹介されて,それまであった革張りの胴をもつミズハールmizhārに影響を与え,〈木〉を意味するアラビア語であるウードと呼ばれる楽器が生まれたと考えられる。以後ウードは改良を加えられながら,音楽理論や音組織を論じるさいにとり上げられるようになった。音楽学者ファーラービーはじめ音楽家,理論家たちは著書の中で,音組織の実験の土台としてウードをもちいている。なお,ウードは十字軍とともに,またスペインを経て中世ヨーロッパに入り,リュートの祖となった。リュートという名は,アラビア語の冠詞alをつけたウード,al-`ūdに由来するものである。
執筆者:粟倉 宏子
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アラブ諸国で用いられている撥弦(はつげん)楽器。アラビア語で「木」を意味する。ペルシア起源と考えられ、7世紀には中近東で広く使用されていた。9世紀にイベリア半島に導入され、西洋のリュートの原型となる。一般的な形態は、洋ナシ型の共鳴胴と、フレットのない、糸蔵(いとぐら)が後方に折れた棹(さお)からなり、胴の中央部には透(すかし)彫りのついた響孔、その下方に木板やべっこうの撥面をもつ。この形態は、同じ西アジア起源とされている琵琶(びわ)(ただしフレットなし)と共通する。地域によって弦の数は異なるが、8~14本の弦が2本ずつ同音調律されている場合が多い(たとえばエジプトではG3―A3―D4―G4―C5など)。独奏、合奏、歌の伴奏用に使われるが、フレットがないため微小音程を表出しやすい一方、持続音を出しにくいので、細かい装飾音をつけたり、トレモロ奏法を用いたりして単旋律を奏する。
[山田陽一]
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…一方,中近東に生まれたリュートの祖型は,やがてペルシアにおいてとくに盛んになり,バルバットbarbatと呼ばれる楽器へと発達した。古代の末期から中世初期,ササン朝時代に好んで用いられたこの楽器はやがてアラブに伝わり,そこではウードと呼ばれた。711年,イベリア半島に侵攻してここを支配したイスラム教徒は,ウードを携えて行った。…
※「ウード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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