日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウースター(イギリス)」の意味・わかりやすい解説
ウースター(イギリス)
うーすたー
Worcester
イギリス、イングランド中部、ヘアフォード・アンド・ウースター県の県都。バーミンガム南南西40キロメートルにあり、人口9万3358(2001)。セバーン川の渡河点近くに発達した交通の要衝で、-cesterがつく地名の特徴からローマ時代起源と考えられる。11世紀の『ドゥームズデー・ブック』(征服王ウィリアム1世編纂(へんさん)のイングランド国勢調査書)には、「城壁と濠(ほり)で囲まれた小さな町」と記載されている。13世紀以降、手袋の生産で知られ、中世には羊毛業の中心であった。現在は18世紀に始まった製陶工業が主要な産業で、ほかに金物、工具などの製造も行われる。わが国ではウースターソースの産地として知られる。中世以来の建築物も多く、大聖堂、ギルドホール、グラマー・スクールなどはその代表である。17~18世紀の住宅も多く残っている。ピューリタン革命を勝利に導いたウースターの戦い(1651)の地。
[井内 昇]