ウルキサ(英語表記)Justo José de Urquiza

改訂新版 世界大百科事典 「ウルキサ」の意味・わかりやすい解説

ウルキサ
Justo José de Urquiza
生没年:1801-70

アルゼンチンの政治家,軍人。1841年以来エントレ・リオス州知事の座にあったが,52年ブラジルの支援を得て独裁者ロサスを打倒し,全国の支配権を握った。翌年連邦主義に立脚した憲法を制定して近代的政治制度基礎を据え,大統領在任中(1854-60)は教育の拡充や外国移民の誘致などの進歩的政策を実施した。61年ブエノス・アイレス州との戦闘に敗れ,70年政敵により暗殺された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルキサ」の意味・わかりやすい解説

ウルキサ
Urquiza, Justo José de

[生]1801.10.18. エントレリオス
[没]1870.4.11. サンホセ
アルゼンチンの軍人,政治家。大統領 (在任 1854~60) 。農場主。独裁者 J.ロサスもとでエントレリオス州知事の地位にあったが,1852年ロサスを破って政権掌握。 53年近代的憲法を発布し,54年アルゼンチン連合の大統領に就任。国の近代化の基礎を築いた。 70年政敵により暗殺された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のウルキサの言及

【アルゼンチン】より

…また同政府の打倒を目指した40年代の英仏両国による軍事干渉にも頑強に抵抗して撤兵をよぎなくさせた。しかしロサスの過酷な独裁政治には国民の批判が絶えず,52年ウルキサJusto José de Urquizaとの戦闘に敗れ失脚した。
[農牧業の発展]
 ウルキサは翌年憲法を制定して近代的統一国家の実現を目指したが,ブエノス・アイレス州の離反にあって果たせず,62年同州知事ミトレが大統領に就任することでようやく全国的な統一国家が誕生した。…

【アルゼンチン】より

…また同政府の打倒を目指した40年代の英仏両国による軍事干渉にも頑強に抵抗して撤兵をよぎなくさせた。しかしロサスの過酷な独裁政治には国民の批判が絶えず,52年ウルキサJusto José de Urquizaとの戦闘に敗れ失脚した。
[農牧業の発展]
 ウルキサは翌年憲法を制定して近代的統一国家の実現を目指したが,ブエノス・アイレス州の離反にあって果たせず,62年同州知事ミトレが大統領に就任することでようやく全国的な統一国家が誕生した。…

【ロサス】より

…なかでもフランスは,38‐40年と45‐50年(イギリスは1845‐49年)に2度にわたってラ・プラタ川を封鎖しロサス政権を脅かしたが,彼は文教予算を削減するなどして軍備の拡充に努め,いずれの封鎖も挫折させた。だが,イギリス,フランス両国の封鎖で経済的な打撃を受けた他の諸州では彼への批判がしだいに高まり,51年5月エントレ・リオス州のウルキサが反ロサス運動に立ち上がった。翌年2月カセロスの戦でウルキサ軍に敗れたロサスはイギリスに亡命し,再び祖国の土を踏むことはなかった。…

※「ウルキサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android