ウリ科(読み)ウリか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウリ科」の意味・わかりやすい解説

ウリ科
ウリか
Cucurbitaceae

双子葉植物ウリ目の1科。世界のほぼ全域に約 110属 850種ほどが知られ,特に熱帯地方に多い。大部分はつる性の草本で軟質,生長はきわめて速い。葉は互生し長い柄があり,円形または多角形状,掌状に切込むものも多い。葉のつけ根から巻きひげを生じてほかの樹木などにからみつく。この巻きひげの起源については諸説があるが,托葉の変形とみなす見解が有力である。花は5数性で合弁花冠,雌雄同株の単性花が多い。めしべの子房は下位,外壁に萼筒が癒着して球形の果実となる。子房内部は1~3室,多数の胚珠がある。キュウリ (胡瓜)をはじめ,カボチャ (南瓜)スイカ (西瓜)ヒョウタン (瓢箪)ヘチマ (糸瓜)など古くから食用その他の目的で栽培されるものが多く,経済的に非常に重要な植物群である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウリ科」の意味・わかりやすい解説

ウリ科
うりか
[学] Cucurbitaceae

子葉植物、離弁花類。巻きひげのあるつる性草本。葉は単葉または複葉で、互生する。花は単性で雌雄同株または異株で放射相称。雄花の萼(がく)は筒状となる。花冠は5浅裂ないし深裂するが、全裂するものも多い(カラスウリ、スズメウリ、ゴキヅルなど)。雄しべは3~5本で離生または合着し、1個の葯(やく)は1室、他は2室で、室は直立または屈曲する。雌花の萼筒は子房に合着する。子房は下位で3室、側膜胎座。花柱は単一または3裂し、柱頭は太い。種子は普通扁平(へんぺい)で胚乳(はいにゅう)がなく、子葉に養分を蓄える。世界に約100属980種、主として熱帯、亜熱帯に分布し、日本には9属17種が野生する。スイカ、カボチャ、キュウリなど、果実を食用にするために栽培されるものが多い。

[小林純子 2020年2月17日]

 APG分類でもウリ科とされる。

[編集部 2020年2月17日]


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世界大百科事典(旧版)内のウリ科の言及

【ウリ(瓜)】より

…ウリは広義にはウリ科に属する栽培植物(ウリ類)やその果実の総称であるが,狭義にはマクワウリ(イラスト),メロン(イラスト),シロウリキュウリ(イラスト)などを含むキュウリ属の果実を指す。ウリ類の果実は,多肉・多汁な果肉を有するものが多いので,食用としての利用価値が高い。…

※「ウリ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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