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「ウラン・鉛法」の意味・わかりやすい解説
ウラン・鉛法【ウランなまりほう】
ウランとその壊変生成物の鉛を用いる年代測定法。238U-2(0/)6Pb,235U-2(0/)7Pbの2組の方法がある。岩石・鉱物の生成時(固化した時)の年代測定に用いられる。たとえば238Uは約44.7億年の半減期で2(0/)6Pbに壊変するので,生成された2(0/)6Pbの量が求められれば鉱物生成時から現在までの経過時間を計算できる。しかし測定試料には最初からいくらか2(0/)6Pbが含まれているため,壊変によって生成された2(0/)6Pbの量を直接求めることはできない。そこで一般には安定同位体である2(0/)4Pbとの同位体比を利用して,238U/2(0/)4Pbの異なる3個以上の試料の2(0/)6Pb/2(0/)4Pbを測定し,アイソクロンを作成することによって年代を決定する。
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ウラン・鉛法
ウラン・なまりほう
uranium-lead method
U-Pb法ともいう。ウランが放射崩壊して鉛に変化するのを利用して岩石の絶対年代を決める方法の一つ。ウラン 238→鉛 206,ウラン 235→鉛 207はそれぞれ半減期 4.47×109 年,0.704×109 年で壊変するので,岩石が生成されたときの鉛 206,鉛 207がわかっていると,現在の鉛 206,鉛 207の量から岩石が生成されてから現在までの時間が測定できる。実際には 206Pb/204Pb ,207Pb/204Pb をはかるだけで年代が決められるので,鉛・鉛法ともいう。半減期が長いため,若い年代の試料については精度が悪く,1億年より古い年代を示す試料に対して使われる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報