ウマイヤ・モスク(読み)うまいやもすく(英語表記)Omayad Mosque

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウマイヤ・モスク」の意味・わかりやすい解説

ウマイヤ・モスク
うまいやもすく
Omayad Mosque

シリアの首都ダマスカスにあるイスラム寺院。ローマ時代には壮大なユピテル神殿があった所で、その囲壁や門の一部が後世の建造物に組み込まれて残っている。4世紀末にテオドシウス帝が改築してキリスト教聖堂にし、それを708年にウマイヤ朝カリフ、ワリードが接収してモスクに改装した。植物文様や幾何学文様を表した華麗な内装の一部はウマイヤ時代のままであるが、大部分は1893年の大火後に修復されたもの。堂内に洗礼者ヨハネの墓がある。この寺院を含むダマスカスは1979年に「古都ダマスカス」として世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録されたが、内戦により甚大な被害を受けたとして、2013年には危機遺産リスト入りしている。

[紅山雪夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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