ウズベク語(読み)ウズベクご(英語表記)Uzbek

翻訳|Uzbek

精選版 日本国語大辞典 「ウズベク語」の意味・読み・例文・類語

ウズベク‐ご【ウズベク語】

〘名〙 チュルク語一つウズベキスタン共和国中心に使用される。標準ウズベク語はタシケント方言とされる。

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デジタル大辞泉 「ウズベク語」の意味・読み・例文・類語

ウズベク‐ご【ウズベク語】

チュルク語系諸言語の一つで、ウズベキスタン共和国公用語。周辺諸国のほかアフガニスタン北部などでも話される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウズベク語」の意味・わかりやすい解説

ウズベク語
うずべくご
Uzbek

トルコ系諸言語の一つ。ウズベキスタン共和国を中心に約1670万人(1989)が使用している。トルコ語族のうちウイグル語(新ウイグル語)とともに東方語派をなす。現代ウズベク語正書法の基礎となる方言は、首都タシケントを中心とした南東都市方言である。この方言の特徴は、他のトルコ諸語(方言)のaがɔで対応すること(例taš : tɔš「石」)、母音調和が支配的でないことなどである。文法構造や語順は日本語とよく似ている。

 Men ga bir stakan suw ɔl ip keliŋ.
 私 一 杯 水 もっ こい。

 Men Tɔšken ga pɔyez bilan bɔra man.
 私は タシケント 汽車 で 行く(私は)。

 チャガタイ語という名で知られている文語は、かつてウズベク語やウイグル語などの行われていた中央アジア一帯で広く使われていた共通文字言語である。それはアラビア・ペルシア文字で書かれ、15世紀のティームール朝で発達し、20世紀初めまで使われていた。1929年チャガタイ文語はラテン化によるウズベク文語にとってかわられ、40年以後はキリル字母を採用している。

[竹内和夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「ウズベク語」の意味・わかりやすい解説

ウズベク語 (ウズベクご)
Uzbek

チュルク諸語の一方言。ウズベク族の言語であり,中央アジアのウズベキスタン共和国の最も有力な言語。ウズベク語のうちには,イラン語影響で,チュルク諸語の特徴である母音調和をまったく失った方言がある。タシケント,サマルカンドブハラなど,主として都市の諸方言がそれである。しかし,ウズベキスタン共和国の農民および半遊牧のウズベク族の大多数は,イラン化しない,母音調和のある方言を話す。イラン化しない方言のうちには,トルクメン語と同じ特徴(たとえば,母音の長短を区別する)をもつヒバ方言などもある。
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百科事典マイペディア 「ウズベク語」の意味・わかりやすい解説

ウズベク語【ウズベクご】

チュルク諸語の一つ。ウズベキスタン共和国を中心とし,アフガニスタンの一部でも使用されるウズベク人の言語。チュルク諸語の著しい特徴である母音調和を失っているなど,ペルシア語の影響が著しい。15世紀ごろからのチャガタイ語と最も関係の深い言語ともいわれる。1928年にローマ字正書法を採用し,1940年にロシア字正書法に切り替えて今日に至る。
→関連項目ブハラ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウズベク語」の意味・わかりやすい解説

ウズベク語
ウズベクご
Uzbek language

中央アジアのウズベキスタンを中心として,タジキスタンカザフスタン,さらにはアフガニスタンや中国の新疆に行われている言語。チュルク諸語の一つで,その南東方言 (チャガタイ方言) に分類される。話し手約 1200万人。ロシア文字による文字言語を有する。方言的には,南部方言と北部方言に2大別される。前者にはタシケント方言,ブハラ方言,フェルガナ方言などが属するが,イラン語の影響が強く,母音調和を失ってしまっていることが注目される。後者はその影響のない本来のウズベク語で,ヒワ方言などが属する。

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