ウスヒザラガイ(読み)うすひざらがい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウスヒザラガイ」の意味・わかりやすい解説

ウスヒザラガイ
うすひざらがい / 薄石鼈貝
[学] Ischnochiton comptus

軟体動物門多板綱ウスヒザラガイ科のヒザラガイ。北海道南部からオーストラリア北部に至る西太平洋海域一帯に分布し、潮間帯の岩礫(がんれき)の間に普通にみられる。体長25ミリメートル、体幅13ミリメートルぐらいのものが多く、長楕円(ちょうだえん)形で高さは低くて扁平(へんぺい)にみえる。殻の周縁部の肉帯は狭く鱗片(りんぺん)状で、色も個体変化に富み灰白色から暗褐色まであり、斑紋(はんもん)、縞(しま)があったり単色のものもある。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウスヒザラガイ」の意味・わかりやすい解説

ウスヒザラガイ
Ischnochiton comptus

軟体動物門多板綱ウスヒザラガイ科。体長 2.3cm,体幅 1.3cmぐらい。体は長楕円形で,背面のふくらみは弱い。8枚の殻は前後に重なって並び,殻上に顕著な彫刻はなく,殻を囲む肉帯はむしろ狭い。体色は個体変異が著しく灰白色より暗褐色であるが,一色でなく斑状になっていることが多い。最前部の頭板は半円形,中間板は横に広くゆるやかに彎曲し,最後部の尾板は円形に近い。北海道南部以南の潮間帯の岩礫上にすむ普通種。

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