ウォーレン(Robert Penn Warren)(読み)うぉーれん(英語表記)Robert Penn Warren

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウォーレン(Robert Penn Warren)
うぉーれん
Robert Penn Warren
(1905―1989)

アメリカの詩人、小説家、批評家。エール大学教授。ケンタッキー州生まれ。バンダービルト大学在学中、南部の文化的自主性を主張する雑誌『フュージティブ』に参加、A・テート、J・C・ランサムらとともに活躍する。その後も、いくつかの大学教師のかたわら、季刊文芸誌『南部評論(サザン・リビュー)』を創刊、編集に力を尽くす(1935~1942)。『詩集』(1944)、『約束』(1957)、『新旧詩選』(1966)などの詩集、『覆面騎馬団』(1939)、『すべて王の臣』(1946)、『この世も時も』(1950)、『天使の群れ』(1955)、『洞穴』(1959)、『洪水』(1964)などの小説は強い倫理性と豊かな形而上(けいじじょう)学に支えられた作品であり、『人種差別』(1956)、『南北戦争の遺産』(1961)も優れたエッセイであるが、とりわけC・ブルックスと共編の詩華集『詩の理解』(1938)に始まる、作品の精密な分析の重要性を主張した革新的テキストは、その後の大学での文学教育に影響を与えた。

[原川恭一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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